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Japanische Klassiker mit Furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.229 Zeichen · 389 Bildschirme

Aozora Bunko

四

濡れ燕をトンと杖について、左膳、やにわに起とうとするから、源三郎はあわてて、

「オイ、ちょっと待ってくれ。萩乃とおれを二人きりにして――困るなア、どうも」

四

左膳は中腰のまま、

「惚れられた女と二人きりになって、困るってやつもなかろうじゃアねえか、ハッハッハッハ」

「イヤ、ところがその、実は、その……」

と源三郎は、しどろもどろだ。

真っかにはにかんでいる萩乃を左膳は首を動かして、チラと見ながら……左の眼しかないので、首ごと動かさないと横のほうは見えないのだ。

かわいそうな丹下左膳、泣くように苦笑して、

「イヤ、どう考えても、おらアこの場のよけいもんだよ。萩乃さんにうらまれねえさきに、消えてなくなったほうがかしこそうだぜ」

「イエ、あの、けっしてそんなことは――」

やっとそれだけ口にした萩乃、自分に対する左膳の胸中など、知る由もないから、なんというこまかい心づかいをしてくださる苦労人であろう! こわいばかりがこの方の身性ではない。ほんとうに思いやりのある!……と、眼に千万無量の感謝をこめて左膳を見あげ、

「なんとお礼を申しあげてよいやら――あの、源三郎さま、こちら様のおかげで、こうしてあなた様のもとへ連れて来ていただくことができました。