Japanische Klassiker mit Furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.229 Zeichen · 389 Bildschirme
五
うしろのほうから、人のくずれたつ騒ぎが伝わってきても、はじめは、それほどの大事とは思わなかった。
「たいせつの御用だ。喧嘩はひかえろッ、ひかえろッ!」
同士打ちと思ったのです。
二、三人の若侍を引き連れて、砂をまき上げてしんがりのほうへかけかえってみると、すでに五、六人の供の者が、浪打ちぎわや松の根もとに、あるいはうずくまり、あるいはのたうちまわって、浅黄色のぶっさき羽織を着た一人などは、あわてふためいて海のほうへかけだして倒れたらしく、遠浅のなぎさにのけぞった彼の死骸。
その平和な死顔を、駿河湾の浪が静かになでている。
「竹田氏、竹田氏ッ! さきほどの痩せ浪人ですッ!」
「イヤ、おどろきいった腕前、またたくうちにこのありさま」
「かような手ききは、見たことも聞いたこともない」
と一同、口をそろえてわめきたてたが――それはそうだろう、おどろくほうがどうかしている、何しろ相手は、丹下左膳だもの。
が、こうなっても竹田は、自分が今、この千本松原でいのちを落とすことになろうとは、夢にも思いません。
思わないから、えらい元気で、剣輪のなかの左膳をどなりつけました。