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Japanische Klassiker mit Furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.229 Zeichen · 389 Bildschirme

Aozora Bunko

心の暁闇

一

一

「え?」

と、涙に濡れた顔を上げた萩乃、左膳は、その夜眼にも白い顔から、苦しそうに眼をそらして、

「何もおどろくことはねえ。まさかおめえさんまで、あの丹波などといっしょになって、源三郎はもう死んだものと思っていたわけじゃアあるめえが――なア、江戸じゅうの人間が、みんな源三郎をなきものときめてしまっても、萩乃さん、おめえだけは、どこかに生きていると信じていたことだろう」

萩乃は、もうとびたつ思い、すがりつかんばかりに、

「あの、それでは、アノ、源三郎様は御無事で……まあ! シテ、どちらに?」

その満面にあふれる喜色は、左膳の一眼に、そのまま、針のようなつらさと映る。

微苦笑というのは、昔からあったのです。左膳は今それをもらして、

「ウフン、おめえを源三郎にあわせてえと思って、おれアこっそり道場へまぎれこんでいたんだ。源三郎もおめえさんのことを――」

「え? では、あのお方も、このわたくしのことを?」

「マアさ、あいつもおめえのことを、おもっているだろうと思うんだ。これアおいらの推量だが――何しろ、口をきかねえ野郎だから、あの伊賀の暴れん坊の胸のうちだけは、誰にもわからねえ」