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Japanische Klassiker mit Furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.229 Zeichen · 389 Bildschirme

Aozora Bunko

あれは、このごろちっとも空になったことがない。

と言って、先生が自分で銭を出して買うわけではないので。

知らぬまに長屋の連中が、お礼心に、そっと酒をつめておいてくれる――。

泰軒先生、このとんがり長屋に来て、はじめて美しい人情を味わい、世はまだ末ではない。ここに、新しい時代をつくりだす隠れた力があると、考えたのだった。

近ごろでは、トンガリ長屋ばかりでなく、遠く聞き伝えてあちこちから、思いあぐんだ苦しみや、途方にくれた世路艱難の十字路、右せんか左せんかに迷って、とんがり長屋の王様泰軒先生のところへかつぎこんでくる。

先生が来てから、長屋の風は、一変したのだった。

眼に見えるところだけでも、路地には、紙屑一つ散らばっていないようになり、どぶ板には、いつも箒の目に打ち水――以前の、大掃除のあとのようなとんがり長屋の景色からみると、まるで隔世の感がある。

何かというと、眼に角たてた長屋の連中も、このごろでは、

「おはようございます」

「どうもよいお天気で――何か手前にできます御用があったら、どうかおっしゃってくださいまし」

などと、挨拶しあうありさま。

徳化。