Japanische Klassiker mit Furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.229 Zeichen · 389 Bildschirme
三
「オヤ! これでもまだ笑わねえナ。よし、それでは……と、アそうだ、こんどは、按摩が犬にほえられて立ち往生の光景! ハッ!」
ポンと手をたたいたチョビ安、案山子のような形にお美夜ちゃんの前につっ立ちながら、そっとうす眼をあけてうかがうと、お美夜ちゃんはそれを見もせずに、涙にぬれた眼をいぜんとして、北の空へ上げている。
「こんなに骨を折っても、どうしても笑わねえのかなア……ああくたびれちゃった」
チョビ安はべそをかかんばかり、ペチャンと往来にすわってしまった。
三
「だって、あたいがお父ちゃんのように思ってきた、あのお爺さんがすきなのは、当たりまえじゃないの」
とお美夜ちゃんは、やっと涙を拭いて、
「安さんだって、父ちゃんやお母ちゃんに会いたいって、いつもあの唄を歌うじゃないか」
そう言われると、今度はチョビ安がしょげる番。
だが、彼は、仔細らしく小首をひねって、
「そんなこと言ったって、おめえには、あのお蓮さんていう立派なおっ母が出てきたじゃアねえか。おいらはあいつ大きらいだけど――それに引きかえて、このチョビ安は、あわれなもんだ。いまだに父にも母にもめぐり会えねえのだからなあ」