Japanische Klassiker mit Furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.229 Zeichen · 389 Bildschirme
五
子供はなじみの早いもので、夜も、眼をこすりこすり枕を持って、お梶の床へゆくくらいですから、お梶もいつしかお美夜ちゃんに、小さい妹のような愛情を感じだしたのも、ふしぎはない。
唖のお梶、幼い時分からのけ者にされて、暗い、いじけた心になっていたが、はじめてこの天真爛漫なお美夜ちゃんによって、人間的な心の眼をひらかせられた。
耳が聞こえなくても、美しい人情はわかる。
口はきけなくても、情愛を伝えるに困りはしない。
いつしかお梶とお美夜ちゃんはちょっともそばを離れないほど、無二の仲よしとなったのも、奇縁であろう。
「ねえ、お梶。作爺ちゃんのお山のお仕事がすんで、みんなでお江戸へ帰るときには、お前もいっしょに行こうね。チョビ安兄ちゃんという、とてもいい人がお家に待っているよ」
何を言っても、お梶はニコニコして、アワワと口をおさえたり、しきりに壁を塗るような手つきをしたり、なんだかサッパリわからないけれど、お美夜ちゃんはおもしろがって、
「まあ、お梶を見ていると、踊りのようだわ。口がきけないんですものねえ、かわいそうに」
と、お梶の手を取って、お美夜ちゃんもニッコリする。