Japanische Klassiker mit Furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.229 Zeichen · 389 Bildschirme
行住坐臥、すべてこれ道場である。そう自らを練ってきているうちに、かれの眼は、びいどろ細工のように、外の物は映しても、内のものは現わさなくなった。おそろしい眼だ。あの天一坊も、この、またたきもしない眼に看破られたのである。
いま、その眼をじっと大作にすえて、
「ナニ、女の子だと?」
「ハイ、それが、この夜ふけに一人歩いておりますので、不審を打ち、木戸へさしかかりましたところを、取り押えましたところが、奇怪にも、殿にお眼通りを願ってやまぬと申すことで、重内も作三郎も、ホトホトもてあまし、とにかく用人部屋まで連れてまいっておりますが」
「余に会いたい?」
「はあ、ただ、お奉行様にお目にかかるんだと申すだけで、あとは何をきいても、シクシク泣いております」
ちょっと考えていた忠相は、
「どんな娘じゃ」
「貧乏な町家の娘で――何やら大きな箱を背負っております。壺だとか申すことで」
「壺じゃと?」
あわてたことのない忠相の声に、ちょっとあわただしいものが走ったが、それは瞬間、すぐもとの、深夜の静海のような顔にかえって、
「なぜ早くそれを言わぬ」
「はア?」
「イヤ、なぜ早く壺のことを言わぬと申すのじゃ。