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Japanische Klassiker mit Furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.229 Zeichen · 389 Bildschirme

Aozora Bunko

と、お美夜ちゃんはあやしみながら、

「あのね、あたいね、浅草のとんがり長屋から来たの」

と、一度安心すると、子供だけにもう人見しりをしないので。

壺をかかえて、越前守と並んで、縁側にこしかけたお美夜ちゃんに、障子をとおしてほのかな燭台の灯が踊る。

忠相はにこやかに、片手で壺の風呂敷をときながら、

「ウム、そのトンガリ長屋なら、おまえをここへ使いによこした人は蒲生泰軒……泰軒小父ちゃんであろう」

「うん、よく知ってるね、この壺をお奉行様に、お渡しするようにって――」

「おお、よしよし」

忠相はお美夜ちゃんの頭をなでて、

「よくこの夜中に、ひとりでお使いにこられたな」

言いつつ、パラリと風呂敷をとき、桐箱の紐をほどき、箱の蓋をとり、ソッと抜き出した壺から、スガリをはずして、もう、その手は壺の蓋にかかっている。

「おまえの名は、なんという」

「あたい、作お爺ちゃんとこのお美夜ちゃんっていうんですの」

壺の蓋をとった忠相は、そっと中をのぞいて見た。

部屋の洩れ灯なので、よくは見えない……。

なんだか底のほうに赤ちゃけた紙きれが入っているようでもあり、また、何もないようでもあり――。