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Japanische Klassiker mit Furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.229 Zeichen · 389 Bildschirme

Aozora Bunko

二

言いながら忠相は、壺の風呂敷をときにかかる。

おしとどめた愚楽老人、

「貴公、壺をひらいてごらんになったか」

「ウム、いかにもあけてみました」

「して、紙片は? 埋宝の所在を示す古図は?」

たたみかけて、つめよるごとき愚楽老人の顔を、越前守はじっとみつめて、

「中にはござらぬ」

「中にない?――壺の中にない……とすると?」

「サ、そこでござる、御老人。壺の中にないとすれば?」

「壺に物をかくすとすれば、壺の中にきまっておる。その壺の中にないならば、こりゃ――ないのであろう」

「と、拙者も最初は考えましたが……」

「待った!」

愚楽老人、大きな手をひろげて、越前守の言葉をさえぎった。そして、ハタと膝をうった。

「ハハア、そうか。なるほど、そうか――」

二

夜詰めの近侍たちが、お次の間にしりぞいてから、もうよほどになる。上段の間に御寝なされた吉宗公は、うつらうつらとして夢路にはいろうとしていた。

と、いくつか間をへだてた遠くの部屋で、なにか押し問答をしているような、大きな声がする。

上様に取り次いでくれ、いや、お取り次ぎ申すわけにはまいらぬ……そんなことを言い合っているようだ。