Japanische Klassiker mit Furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.229 Zeichen · 389 Bildschirme
書院造りの居間。
柳生家江戸家老、田丸主水正は、鼈甲縁の眼鏡を額部へ押しあげて何か書見をしていた経机から、大之進のほうを振りかえった。
「オ、なんじゃ。そんなうすぎたないものを座敷に持ちこみおって……」
と小言をいいかけた主水正、二度見なおして、イヤ、驚きましたネ。
驚くわけです。
夢にも忘れないこけ猿の茶壺……主水正は、操り人形が糸につられるように踊るように、両手を空に泳がせて、フワフワッとたちあがろうとした。
「こ、これ、とうとう――お壺を、手に入れてくれたか、いや、でかした、でかしたぞ! 大之進」
「いえ、御家老、落ちついてください。何者が、いかなる考えあっての仕業かは存じませんが、昨夜お庭へ忍びこんで、この壺を縄で松の木へぶらさげたやつがあるんです。いま見つけて、大騒ぎをしたうえあけてみましたところが……」
「ウム! はいっておったか?」
「ですから、落ちついてくださいと申しあげるのです。何もはいっておりませぬ」
「ナニ、壺はから……!」
夢みるように、じっと考えていた田丸主水正――すると、です。たちまち、ニッと微笑を洩らしたかと思うと、
「ハハア、そうか」