Japanische Klassiker mit Furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.229 Zeichen · 389 Bildschirme
「それで、もはやその庭の隅をお掘りになったかな?」
「イエ、まだでございます。とりあえずこちら様へ、お礼言上に……」
「お礼? なんの、わしに礼を言うことがあるものか。――ウム、ナニ、自分の屋敷の隅なら、掘ろうと思えばいつでも掘れる。マア、そうあわてるにおよぶまいからな」
「ところが、ふしぎなことがございますので……」
主水正、まだやってる。
チェッ! 血のまわりの悪い親爺を、家老だなんて飼っておくもんだ。こっちの心づかいを察して、だまって掘り出しゃアいいのに――と愚楽老人は、ジリジリしながら、
「ふしぎ……とは、何がふしぎで?」
「ヘヘヘヘヘ、実はどうも、なんともはや、申しわけございませんしだいで」
と主水正、急に懸命にあやまりだしたから、サアこんどは愚楽老人のほうがわからない。眼をパチクリさせていると、主水正は首筋をかきかき、言いにくそうに、
「実は、お屋敷替えになって、ただいまの林念寺前に移りましたのは、一昨年のことでございます」
ア! そうか!――と、そこまでは気がつかなかった愚楽老人、大狼狽をかくして、
「ホホウ、そうでござったかな」
「それまであそこは、京極左中様のお屋敷で、どうも手前どもの先祖は、人様のお屋敷へ忍びこんで、財産を埋めたものと見えまして、なんともハヤ、不調法を働きましたしだい、実に、どうも――