Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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のぶこ

伸子

宮本 百合子

Lesen Sie 伸子 (のぶこ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.543 Zeichen · 466 Bildschirme

Aozora Bunko

でも、あなたが安らかでないと結局私も安らかでないから。――」

彼らは数歩沈黙のうちに歩いた。伸子は、訊ねた。

「――これが私の我ままというところなのだけれど――あなた御自分の細君が、家のこと下手で、勉強したがりでも、平気でいらっしゃれる?――私は本当にあなたを愛してよ。けれども、仕事も愛しています。あなたと同じくらい! ね、これは言葉で云うと何でもないようだけれど、我々が若し生活を一緒にするようになると、なかなか大変なことだと思うの、私は――」

伸子は、勇気を失うまいと努力して、力一杯、佃の腕を自分の体に圧しつけながら云った。

「とてもあなたに会わなかった時の心持に戻れないと思います。だから、思い切ってそれを、育てるだけ育てて見ようと思う……それでも、仕事はすてられなくてよ。それだけは出来ない。一生碌なことはできないかも知れなくても、やめることはできないの。万一それを止めなければならないなら……私――……左様ならをするしかないの」

唇をかみしめ、伸子は辛うじて涙を制した。佃は、全身の身ぶりでその疑念を晴らそうとするように、心をこめて断言した。

「そんな心配こそ無用です。