Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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のぶこ

伸子

宮本 百合子

Lesen Sie 伸子 (のぶこ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.543 Zeichen · 466 Bildschirme

Aozora Bunko

きのうは午後すっかり空いた日ですから――ではどうぞお父様がお帰りになりましたら、新聞にはたぶん明後日広告が出るとお話し下さい。――ミルスの方へは、また二三日うちに行って見ましょう。少し心当りもありますから……」

「どうぞよろしく」

――けれども、何となくこれぎりで立ち上り、左様ならと云う気がしなかった――佃も、いそがないと見え、傍の小テーブルに置いた帽子や手袋をとりあげる風も見えない。伸子は、やがて、

「貴方のやっていらっしゃるイラン語というの――まるで不思議なものね。きのうメトロポリタンに行ったので覗いて見たけれども、私にはどっちが頭だか尻尾だかまるでわからなかったわ」

と云って笑った。佃も頭を振って笑った。その笑顔は、静かな湖に漣が拡がって行くようであった。彼は、

「どんなのを御覧になりましたか? 巻物ですか、それとも石刷りですか」

と訊いた。

「ガラス棚に入っている巻物――絵のあるの。――波斯人は今でもあんな字を使っていますの?」

「――字は大して違いますまい。言葉の方は昔から大分違って来ていますが――字でも、大昔はあんなのでない楔形文字を使ったのです――」