Japanische Klassiker mit Furigana
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のぶこ
伸子
宮本 百合子
Lesen Sie 伸子 (のぶこ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.543 Zeichen · 466 Bildschirme
伸子はそれっきり、細かい手紙も書かないのであった。
それから二三日後のある晩のことであった。低い生垣の外から、
「伸子さん、伸子さん」
甲高に呼ぶ女の声がした。
「そこにいらっしゃるの、伸子さんじゃありませんですか」
伸子はその時、東京から送ってよこした新聞を皆に読んで聞かせていた。外は暗く、頭の上に電燈があるので、伸子の方からは誰も見えなかった。
「どなた」
「誰だごんだ? 今頃」
祖母が外をすかしながら呟いた。
「私、飛田です。そちらへ廻ってようございましょう」
「――どうぞ」
飛田は三保という名で、東京の会社員と結婚しているこの村の人であった。伸子と親しい間柄ではなく、寧ろすきでない部であった。いつこっちに来たのだろう、なぜ訪ねてきたのだろう。一人だと思った三保が、中の口で下駄をぬぎながら誰かに云う声がした。
「さあ、お前もお上りよ、なぜ? 大丈夫よ!」
伸子は立って見た。式台に上りかけた三保のうしろに、地味な女が二人、暗い中でたたずんでいた。そして、ひどく遠慮し、もう夜が更けているから、このままお暇すると云った。とにかく三人あがることになった。二人の女は、三保の妹とその友達で、三十近い人々であった。