Japanische Klassiker mit Furigana
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のぶこ
伸子
宮本 百合子
Lesen Sie 伸子 (のぶこ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.543 Zeichen · 466 Bildschirme
「さあ――探せば勿論あるが――買いますか」
「一つ欲しいと思うの」
彼は煖炉の火をほげながら、
「一つ?」
とききかえした。
「――どうせ買うなら二つがいいだろう? 健康的ですよ――うちも、頑固婆さんさえ承知してくれれば寝台にするんだが」
伸子は来た用事をきめたく、冗談にのらずに続けた。
「佃が少し工合がわるいんでね、畳の上に寝ていられると歩くに気がねだから、一つだけさし当り買いたいのです。――どこ? デスクの中?」
伸子の後について、父もデスクのところに来た。
「そこじゃああるまい、そっちの綴込みの中だろう。Bのところを見て御覧」
彼らはカタログを見つけ出し、子供連がダイアモンドをしているそばを抜け、煖炉の前にさし向いに坐った。父は心配そうに見えた。
「どうしたんだね、一体、ずっと悪いのか」
伸子は腹案を立てて来た通り、軽く答えた。
「無理をしたと見えて喉の奥をわるくしたのよ。一学期ぐらい休養すればいいんですって」
母が、むこうから、見徹すような表情で自分の云うことを聞いているのを、伸子は感じた。
「そりゃいかん、医者は誰か信用のある人を頼んだかい」
「父様ご存じでしょう。