Japanische Klassiker mit Furigana
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のぶこ
伸子
宮本 百合子
Lesen Sie 伸子 (のぶこ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.543 Zeichen · 466 Bildschirme
Kの芹沢さんという人」
伸子はカタログを検べ、店へ電話をかけた。月曜に届けるということであった。佃は、三度目の精密な診察で、初め怪しかった通り、左に軽微な浸潤のあることが明かになったのであった。けれども、伸子は、万已むを得なくなるまで、彼の病状の詳細は両親に告げない積りであった。そろそろかえろうとしていると、女中が呼びに来た。
「奥様が、一寸お炬燵へいらしって下さいましって」
伸子は、用向が直覚され、いやであった。しぶしぶ襖をあけると、多計代は炬燵にあたったなり首だけ振り向けた。
「時雨てきたね、何だか。――あっちじゃ、がやがやして困るから、一寸話したいと思って」
伸子は膝を入れた。
「佃の病気についてだがね。――本当に大丈夫なのかい」
「なにが?」
「――単純に喉なんかじゃあるまい?」
「なぜ?」
「いつか来た時の顔色は、どうもただじゃあないと思っていたもの」
伸子は、母に幾分の安心を与える義務を感じて、
「――いずれにしろ、ひどい心配なことはないのよ。――私がこんなにぴんぴんしているんだから、大丈夫な証拠じゃあないの。ただ、寒さに向う時候だから大事をとるのよ」