Japanische Klassiker mit Furigana
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のぶこ
伸子
宮本 百合子
Lesen Sie 伸子 (のぶこ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.543 Zeichen · 466 Bildschirme
君は? 事務所でしたか? あの時」
「私は滑稽さ、バスの屋根で立往生に会っちゃって、ここへとび込んだんです」
平野と三人で食堂に行く頃、今夜は特別に装いをこらした人群れのあちらこちらで今日の休戦報告は間違いだと云う噂が伝わりはじめた。ウォシントンの当局では、そんな公報などまだ入手しないと夕刊で言明したのであった。
けれども、夜に入って市中の雑沓はそんな公報に頓着せず高潮した。
伸子は、晩食後、夜景を見に出た。自動車が前にも後にも動けなくなった四十二丁目辺で彼女らは徒歩になった。
アーク燈の下に、昼間より一層色彩の烈しい人間の狂態があった。人ごみを、ふらふらに酔った若い女が大股で歩きながら、短い棒切れでひょいと、先へ行く男の帽子を突きあげた。男はあわてる。女達は肩を振って仲間同士ぶつかり合い笑い崩れた。軍服を着た兵士が、それこそ大酔して、逆に群集をかきわけて来た。よろよろとして、据りのわるい首を揺ってはぶしつけに行交う女の顔を覗いた。が、いきなりどたどたとよろけると、伸子の直ぐ先にいた一人の大柄な女に真正面から抱きついた。女は叫んで兵士の顔を打った。