Japanische Klassiker mit Furigana
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しんきだんクラブ
奇談クラブ(全)
野村 胡堂
Lesen Sie 奇談クラブ(全) (しんきだんクラブ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.139 Zeichen · 208 Bildschirme
「お許し下さいまし、ね、ね、あまりの恋しさに、最初の夜の契りを盗みました。どう思い直してみても、他の女には、許して上げられなかったので御座います」
「矢張りそうか、そうであったのか」
「お夏様にお気の毒でしたが、これには深い因縁が御座います。先ず一献差し上げ乍ら、ゆるゆる懺悔話をいたしましょう」
手を叩くと、心得て居たように、贅を尽した盃盤が運び込まれます。
「サア召し上れな。此処には何んな物でも御座います。灘の生一本、血のようなオランダの赤酒、乳のようなスペインの白酒、無いものは御座いません」
梅仙女は寄り添うように、膝を少し崩して、ビードロの徳利を上げました。
三十郎は最早性根もありません。
この女の透き徹るような真珠色の肌からは、蜜のような甘い香りが流れて、その霞む眉の下に、深潭の如く凝った瞳には、熱と力と、魅力と美しさが、男の骨まで溶かすように輝やいて居ります。
匂うような頬、滴るような唇、精練され切った、銀鈴のような声、この女の全身は、卯の毛で突いたほどの瑕も無い、千乗の璧の如く清らかに、美しかったのです。
「貴方の祖先、荏柄平太様とは、割りない仲で御座いました」