Japanische Klassiker mit Furigana
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しんきだんクラブ
奇談クラブ(全)
野村 胡堂
Lesen Sie 奇談クラブ(全) (しんきだんクラブ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.139 Zeichen · 208 Bildschirme
高くて精々五十両、折と相手が悪かったら、十両とも五両とも踏まれるところだが、相手は無理を承知で買い度いと言うのだから、五百両も出したってわけだ、ねえ、鯛六さん」
黙りこくった松本鯛六の顔を見て居るうちに、長次の言葉は段々荒々しくなります。左衛門橋に住んで居るから左衛門長次と、二つ名前を持って居りますが、打ち明けると、祭文語りから延し上げて、両国の小屋持になった長次、今では親分とか親方とか言われて居りますが、根が根で、金の事となるとツイ悪党の地が出てしまいます。鯛六の前に並べた五百両だって、決して相手から受け取った全部ではありません。この男の気象から言うと、キット幾分は棒先を切って居りましょう。
「親分、それは無理だ、小紫の罪障消滅の為、あれを諸人に見せてくれと言ったが、あの人形を売ってくれと言った覚えはありません。五百両が千両でも、私はあの人形を手離す気は無いのです。その証拠には、両国の活人形の中に出しても、私は決して分をくれともかすりが欲しいとも申しません。金ずくで無い私の心持はそれ丈けでもよくわかりましょう――、親分どうかあの人形を取り返して下さい」