Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんきだんクラブ
奇談クラブ(全)
野村 胡堂
Lesen Sie 奇談クラブ(全) (しんきだんクラブ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.139 Zeichen · 208 Bildschirme
「イン・ノウミネ、バアチリス・エツ・ヒイリイ・エッスピリッス・サンチ・アメン(父と子と精霊の名によりてアーメン)」
と読めます。
お夏はハッと驚きました、母親は若い時、転び切支丹であったということは聞いて居りましたが、表向は死ぬまで阿弥陀様が御信心で、まさかこんな物を持って居ようとは夢にも思わなかったのです。
言う迄もなく切支丹の宗門は重大な国禁で、今頃こんな物を持って居ることが判ると、立ちどころに磔柱に掛けられることだけは間違いもなかったのです。
これでは工夫にも相談相手にもなりません、人に見られては大変と、祈祷書と十字架を手筐に入れようとして見ると、手筐の底にもう一つ、小さい紙切が入って居ります。取り上げて見ると、紛れもない母親の手で、
「生死の苦しみに逢った時は、切支丹屋敷のアルフオンゾ様に相談して見るが宜い、良い智慧を貸して下さる」
と書いてあります。切支丹屋敷と聞いただけでも、ゾッと身震いのする位ですから、多くの同心や小者の眼をかすめて、何うして彼の中へ入って行けるでしょう。お夏は首を振って、悲しくも思いあきらめなければなりませんでした、色の褪せた朱い紐を結ぶ手には、不覚の涙がハラハラと散ります。