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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんきだんクラブ

奇談クラブ(全)

野村 胡堂

Lesen Sie 奇談クラブ(全) (しんきだんクラブ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.139 Zeichen · 208 Bildschirme

Aozora Bunko

駒込の木立の中に、金井半四郎の本宅を見付けたのは、それから一時間ばかり後のことでした。

早速飛んで行って見ると、思いの外堂々たる邸宅で、ボロを引っさげた乞食姿の私などが、とても門へも寄り付けそうもありません。

私はあきらめた心持で、例の橋の下へ辿り着きました。往来の絶間を見すまして、橋桁の下の闇へ這い込むと、

「三ちゃん待って居たよ」

半面美人のお若が待って居て、

「…………」

不機嫌な私に構わず、

「今日は貰いがどっさりあったから、天プラを買って来たよ、お上り」

お若は私の身体へ凭れるように、鼻の先へ美味しそうな竹の皮を開くのでした。

それから私の二重生活は二、三度繰り返されました。若様になり済した時、今度こそはといろいろ手を尽して、自分の身の上を探究しましたが、皆んな気を揃えて隠すのか、短かい時間では、どうにも手の下しようがありません。

いろいろの事件を考え合せると、私の正体を知って居るのは、屋敷の内の者ほんの二、三人だけで、あとは近頃外国から帰ったばかりの、ひどい神経衰弱で、健忘症にかかった若様と信じ切って居る様子でした。

まことに恥かしい事ですが、或る時などは、どうせ又乞食生活に戻されるものならばと考えて、用心の為に、