Japanische Klassiker mit Furigana
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しんきだんクラブ
奇談クラブ(全)
野村 胡堂
Lesen Sie 奇談クラブ(全) (しんきだんクラブ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.139 Zeichen · 208 Bildschirme
その間看護婦や医者の行き届いた看護は言うまでもありませんが、折々病牀を訪ねてくれる花枝の親切が、どんなに私へ力づけてくれたかわかりません。
到頭退院の日が来ました。花枝と看護婦に扶けられて自動車に納まった私は、三十分と経たない内に番町のとある邸に送り届けられました。顔見知りの雇人女中達の目礼するのに答えて、二階の寝室に通ると、私を寝台の上へ押し上げるようにした看護婦と花枝は、
「お疲れでしょう、暫らくお休みなさいまし、あとでお目に掛り度い方がある相ですから」
妙に気に掛る言葉を残して階下へ降りてしまいました。
斯んな事を言われると、すっかり亢奮してしまって、眠ることも休むことも出来ません。
到頭我慢がしきれなくなって、私は枕元の呼鈴を押してしまいました。女中を呼んで、花枝なり、看護婦なりに来て貰おうと思ったのです。
暫らくすると廊下に足音がして、闥は静かに外から開けられました。窓から入る朝の光線を正面に浴びて、入口に立ったのは、高雅な若い紳士――。
「どうだ、水島君、気分はすっかり良いか、――私だよ」
その声を聞いた刹那、私は何も彼も解ってしまいました。