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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんきだんクラブ

奇談クラブ(全)

野村 胡堂

Lesen Sie 奇談クラブ(全) (しんきだんクラブ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.139 Zeichen · 208 Bildschirme

Aozora Bunko

優しく美しい蛇使いの娘

南条左馬之助は、土間に溢るる多くの客と一緒に、すっかり茹でられたような心持になって、最後に数百条の蛇と、世にも美しい娘が、舞台一パイに乱舞した時は、気が遠くなるのではあるまいかと思うほどでした。

優しく美しい蛇使いの娘

「驚いたか南条」

「うむ」

「驚き序に、あの娘と引き合せよう」

「貴公はあの娘を知って居るのか」

「先ず、知って居ると言って宜いだろうな、あんな恐ろしい芸当をこそするが、逢って見ると不思議に優しい娘だ」

そんな話をし乍ら、誘われるともなく二人は楽屋へ入って居りました。

天保改革の綱紀も漸く紊れて、当時はもうこんな事をやかましく言う人も無かったのです。

「金之丞、又邪魔をするよ」

「ヘエ、入らっしゃいまし」

一座の座頭、金之丞という中年男は、眉を直し乍ら後ろ向に挨拶をして居ります。

「今日は好い客を伴れて来たよ」

「有難う御座います。――ちょいと御免蒙ります。わっしはもう出なければなりません」

成程そう言われれば、一寸法師の道化が、繋ぎに何んか舞台で言ってるのが、此処まで手に取るように聞えます。

金之丞が肩衣を引っかけてあたふた出て行くと、衣桁の蔭からそっと覗いた美しい首が、大輪の花のように黙礼します。