Japanische Klassiker mit Furigana
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しんきだんクラブ
奇談クラブ(全)
野村 胡堂
Lesen Sie 奇談クラブ(全) (しんきだんクラブ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.139 Zeichen · 208 Bildschirme
「金は返します、利子を付けて、少し待って下されば一万五千円にして返しても宜い、どうぞ妙子を返して下さい」
斯う言って、絨毯の上へ坐り込んで、ポロポロ泣き出してしまいました。
「それはいけない、金が欲しければ、もう少し差し上げても宜いが、妙子さんは返せない」
私は頑固に言い張りました。
「ひどい、残酷だ、俺は死ぬかも知れない、で無きア、二人を殺すかも知れない」
涙の合間には、こんな嫌がらせを言って、九八郎の気違い染みた眼が、キョロキョロ四方を見廻したりしました。
争いと涙とが二時間も続きましたが、結局私には最後の切り札があったのです。
「妙子さんに決定させよう、本人の意志が一番大事だ」
斯う言われると、巽九八郎はもうグウとも言えません。
何時かのように呪いの言葉を撒き散すのかと思うと、その日はヒドク打ち萎れて、
「仕方が無い、あきらめましょう。その代り、妙が居なければ、差向私が生活に困る、――私の生活の保証位はしてくれるでしょうな」
そんな事を言います。
「宜いとも、それ位の事なら何んでも無い、年金のような具合にして上げても宜い」
金で済む事なら――と成金根性と言われるかも知れませんが、私はホッとした心持になりました。