Japanische Klassiker mit Furigana
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しんきだんクラブ
奇談クラブ(全)
野村 胡堂
Lesen Sie 奇談クラブ(全) (しんきだんクラブ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.139 Zeichen · 208 Bildschirme
三枚の油絵の代金としては、勿論奮発過ぎるほどの額をやりましたが、巽はそれっきり姿を見せません。満州へ行ったとも言い、もう一度フランスへ行ったとも言い、或る人は銀座のカフェーで逢ったとも言いますが、どれが本当なのか、先ず私共を煩わさなくなった事だけは事実です。
その間にも、私と妙子の遊戯は、埓もなく発展して行きました。私は妙子の持って居る肉体の美しさを、極度に発揮して、それを味うことにすっかり夢中になってしまったのです。
その為には、妙子の頬を滅茶滅茶に打って、私自身もさめざめと泣き乍ら、その香ばしい涙の醍醐味を、倦くことを知らずに啜ったこともありました。
或る時は、――何んと言う恥かしい事でしょう、併しこれを話さないと話に真実味が欠けてしまいます、私は思い切って何も彼も言ってしまわなければなりません。
妙子を西洋風呂へ入れて、私はカクテールを作ったのです。そう申しただけではわからないかも知れませんが、香水風呂とか、牛乳風呂のような、妙子を入れた風呂の中へ、幾通りもの酒の大量を注ぎ入れて、一種美妙なカクテールを私は作ったのです。これは私の思い付きではなく、巽九八郎がやって居た事だそうで、私は妙子に教わって早速試みましたが、その悪魔的な香気と酔は、忘れようとして忘れることが出来ません。