Japanische Klassiker mit Furigana
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むすめえんじゅつし
娘煙術師
国枝 史郎
Lesen Sie 娘煙術師 (むすめえんじゅつし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 267.766 Zeichen · 530 Bildschirme
――とまれ私と申す人間は、京師方の人間でござりますよ。しかるに北条左内様は、――あるいはご自身におかれましては、さようでないかは存じませぬが、しかしお父上との関係上、こりかたまりの幕府方のお方と、申し上げなければなりませぬようで。……で、私とあなた様とは、行くべき道筋が異っております。したがいまして娘のお菊も――ハッハッハッ、何を申すやら、つまらないことを申しましたなあ。……とにかくこの際にハッキリと、私から左内様へ申し上げましょう。……万事おあきらめくださりませと。それからお菊へいうことにしよう、高きを目ざすな! 下におれと! ……ホイ、ホイ、ホイ、つまらないことを。……どれどれこのような理屈よりも、謡いましたほうがよろしいようで。※(歌記号、1-3-28)柳の下のお稚子様は、朝日に向こうてお色が黒い、お色が黒くば笠を召せ……」
藤の花房が下がっている。羽虫が日の中に飛んでいる。その日を浴びて、花房をかずいて嘉門は手拍子を拍ち出したが、まだまだ醒めない酔いの足で、ヒョロリヒョロリと彷徨い出した。
「※(歌記号、1-3-28)笠も笠、いつきようとがり笠、おそり笠、じょに吹く笛が麓にきこゆる、……」