Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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むすめえんじゅつし

娘煙術師

国枝 史郎

Lesen Sie 娘煙術師 (むすめえんじゅつし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 267.766 Zeichen · 530 Bildschirme

Aozora Bunko

小次郎の生死?

それに紋也には心配があった。自分を討ち漏らした代官松の徒が、あくまで自分を討って取ろうとして、自分の屋敷へ討ち入りはしまいか? 討ち入られたが最後、妹も弟も、難を受けなければならないだろう。妹には吹き針の武芸がある。あるいは難をのがれるかもしれない。が、弟は柔弱者だ。討って取られてしまうだろう。

「小次郎! 小次郎! 小次郎!」と、思わず紋也は声を上げたが、その小次郎は紋也の行く手の、佐久間町の入り口の往来で、難を受けているはずである。

小次郎の生死?

一人の若衆武士が佐久間町のほうから、疾風のように走って来て、おりから佐久間町の入り口へまで来た、北条美作と桃ノ井兵馬とへ、――いや先に立っていた美作の胸へ、ドンとばかりにつきあたり、

「無礼者めが! 粗忽千万!」

「火急の場合、お許しのほどを」

「おっ、貴様は山県小次郎か!」

「どなたでござるな?」

「桃ノ井兵馬だ!」

「切れ!」という美作の声がしてつづいて兵馬が抜き討ちざまに、小次郎の胴へ切りつけたのは、水戸様石置き場の空屋敷にある笹家から火の手の上がった時で、小次郎の兄の山県紋也が受難の時刻と同じ時刻であった。