Japanische Klassiker mit Furigana
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むすめえんじゅつし
娘煙術師
国枝 史郎
Lesen Sie 娘煙術師 (むすめえんじゅつし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 267.766 Zeichen · 530 Bildschirme
格好をしたり、肩で家々の小門や柱へ、痣のできるほどぶつかったりして蹣跚飄々として歩いて来た。
いかに窶れたことであろう! 高い鼻は尖って棘のようになり顳は槌で叩かれたかのように、痩せてくぼんでへっこんで、広がった額が狭まって見える。月の光がみなぎっているので、空へ向かって顔を仰向けた時には、細まった頬やずっこけた頤が、際立って蒼白く眺められたが、落ちくぼんだ眼窩がその代わりに、髑髏のそれのように黒く見えた。ひえびえと寒い秋の夜だのに酔いのために身体が熱いのか、襟をはだけて肋骨の見える、胸を腹まで現わしている。左の脚が膝の上まで、裾から捲くれて見えているのは、裾を端折っているからであろう。
※(歌記号、1-3-28)おおさては推した。裏に来いとの笛の音、裏道来いとの笛の音……
うたいながら先へ歩いて行く。やがて佐久間町の三丁目へ来た。儒者ふうの老人の籠っているはずの、いかめしい屋敷の門の前まで来たが、屋敷に籠っている人たちにも、またこの屋敷そのものにも、嘉門は全然無関係であった。で、先へ進んで行った。
※(歌記号、1-3-28)柳の下のお稚子さまは……