Japanische Klassiker mit Furigana
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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
Lesen Sie 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) von 小出 楢重 (こいでならしげ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.351 Zeichen · 657 Bildschirme
あまり美しくない話
以来、私はもう死ぬかと思いつつもインド洋を越えてフランスまでも出かけて今なお生きているが生きていることに大して自信をもっていない私が、難産をつづけながら因果の種を抱こうというのであるからこれもまた因果なことである。
世には病身にしてかつ人一倍淫乱だという者がよくあるものだ。私はそれかも知れない。しかしこの行いだけは止めるにも止められない。
その上、文明がまだ中途半端で混沌としているので、西洋画家の生活が殆ど成立っていないから、まったく生活とは無関係であり、勝手な仕事となっており、しかし多情多淫であっては、やがては疲れはてて奇怪なる低能児を抱えたまま行き倒れてしまうのではあるまいかということを、私の虫が知らせてくれるのである。
現に行き倒れつつある多くの先輩を見るに及んで情けなく思う。由来私は政治家の死や何かにあまり悲しみを感じないが、名妓のなれのはてとか、役者、二輪加師、落語家の死、あるいは難産しながら死んで行く画家のことを聞くと本当に心が暗くなる。
(「アトリエ」昭和二年九月)
あまり美しくない話
蚤、虱、蝿、蚊、南京虫、何とそれは貧乏臭い虫類であることか。