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Japanische Klassiker mit Furigana

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ならしげざっぴつ

小出楢重随筆集

小出 楢重

Lesen Sie 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) von 小出 楢重 (こいでならしげ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.351 Zeichen · 657 Bildschirme

Aozora Bunko

を考えて見た。

しかし、さように私は速度と動くものに興味を持つけれども、悲しい事に、私はこの世に速度というものが加わらなかった頗る静かな日本の末端に生れ出たものである。動く興味の最初の教育がやっと球ころがしと汽車であった。すると現代の子供は生れると直ぐプロペラーの音を聞き得る訳である。浄瑠璃が何故に面白いのか、新内がなぜ情死させる力があるのか、さっぱりわからない事になりつつあるかも知れない。

私などは、生れるとすぐ浄瑠璃の声を聴いた。それであるのに二、三年も浄瑠璃に御無沙汰をして、不意にそれを聴いて見ると、それが大変不思議な世界と思えてならない事がある。なぜむやみにしつこく笑うのか、なぜそんな訳から娘を殺すのか、政岡はなぜ幕を徒ずらになが引かせるのかなど思う事さえある。だが今乗って来た円タクと油絵の事も忘れてしまってじっと心を静めて見ると、二、三十年以前の私の心がそろそろ蘇生して来て、父母在世当時の私の生活や静かな日本を思い出し何んとなく哀調に誘れてしまうのである。漸くしみじみとなって席を出ると直ちにお向いのダンスホールとジャズの速度である。

ダンスといえば、私はその様々の効能を説かれて実は二、三度教えを受けて見た事があるが、私の心はジャズと共に明るくは決してなり得なかった。