Japanische Klassiker mit Furigana
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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
Lesen Sie 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) von 小出 楢重 (こいでならしげ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.351 Zeichen · 657 Bildschirme
触覚の世界とその芸術
すなわちガラスの一方から描いて裏へ絵が現れるのであるから、そこに思いがけない味が出るのである、その味を味わうのがすなわち毎日の食事に飽きた場合の慰めだと考える。
要するに油絵というものは下地から仕上げにいたるまでああでもない、こうでもないと散々苦労を重ねて終点へまでこぎつけるので、楽しみよりもくるしみが多く、しかも力尽きて降参するという順序になりやすいものであるが、技法のうちに偶然を含む種類のものは、作者に賭博の楽しみを与えるもので失敗も多いが思いがけない儲けもあるものである。(「みづゑ」大正十四年六月)
触覚の世界とその芸術
なかなかむずかしい理論で、多少黒田重太郎君風の表題ではあるが、内容はすこぶる平易なものであるからさほど心配する必要はない。
実は近頃私はちょっとした結膜炎をやって片目を四、五日間休ませていたのだが、目というものはやはり二つないと不便なもので唯一個の目玉では世界万物すべて平面に見えて決して浮き出さない。すなわち立体感がなくなるのだ。立体がわからないからしたがって距離がわからない、片目で絵を描いてみたがトワール迄の距離がはっきりしないので筆の先がトワールへ届き過ぎたり届かなかったりする、まことに頼りないものである。