Japanische Klassiker mit Furigana
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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
Lesen Sie 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) von 小出 楢重 (こいでならしげ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.351 Zeichen · 657 Bildschirme
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重クローム酸カリを、大コップ二杯へなみなみと溶解して、毎晩夜半になると二人は乾杯を試みたが、さあとなるとあの黄褐色は私の食慾をそそらなかった。
やはり軌道と動輪との間の鋭角がいいと感じた。ある日また病院をぬけ出した二人は五、六里の郊外を散歩してその日暮れ時に、ちょうど適当な構図を発見した。森、草の茂み、星、虫の声、石塔の頭が並び、人家はなく、線路は近し、シグナルが青く、いくつかの列車が往復した。もう今度が終列車らしいのだ。これを外してはまたあす一日歩かねばならぬ。R子は私を抱いていうのだ。「今度こそは一と思いに、な」と念を押した。
機関車は火の粉を高く吹き上げつつ近づいて来た。二人は立ち上がった。そしてそれから何も知らない。
頭をひどくやられた私は、入院して約一カ月の間仮死の状態で暮してしまった。その間に文具屋は廃業され、R子の家の方もほぼ片づき、私はある寺院で出家させることにまで、プログラムが定められていた。
その辺りで私が再びこの地球へ舞い戻って来た。私の蘇生は私にとっても誰にとっても迷惑なことなのだ。目が醒めると同時に私は、R子はどうしたかと皆に訊ねたが、皆返答に困った。