Japanische Klassiker mit Furigana
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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
Lesen Sie 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) von 小出 楢重 (こいでならしげ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.351 Zeichen · 657 Bildschirme
そのうち子供と思っていた者達が院代となり、力ある弟子が新法主となるに及んでも、私は廊下を走っていた。これではいけないと思ったが、どうする途もなかった。私の途は廊下の往復に限られていた。私の人生はまた雨模様となってしまった。
寺からの涙金やBやMの世話であるY山中の貧乏寺の老舗を安く買い取った私は、やっと私自身をそこへ安置してみた。村の人は親切だった。しかる後、和尚さんも一人身では不自由だろうというので、ある適当な女性が世話された。彼女も半球であり私も半球であったから、これは妙案かも知れなかった。
金色の眼が三つ、手が六本、全身に群青を塗られた真言宗のグロテスクな巨像の前で、仏前結婚が村人たちとともに飲み明かされた。
私は毎日版木へ墨を塗ってお札を摺る。かつてはまるめて捨てたであろうところのそのお守を製造する。年頭のお鏡帳を整理する。葬式と朝夕の勤行である。S嶽登山の季節になると、行者が五、六人ずつ時に立ち寄って行くので、おろうそく代が上がる。
月はY連山から現れる。押入れの中でさえこうろぎが鳴く。私は妻と二人でおろうそくの売上げを勘定する。いとも静かでつつましやかな山中だ。