Japanische Klassiker mit Furigana
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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
Lesen Sie 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) von 小出 楢重 (こいでならしげ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.351 Zeichen · 657 Bildschirme
あの男には神経がある、あの女には神経がない、あの絵の神経は太過ぎる、などと申しまして大変神経を気にやみます、もちろん医者からいわしますと神経のない人間などある筈はないのですが、われわれ社会のものが見ますと、確実にあるのとないのとがあるのであります。
神経のある人間の作った作品にはそれだけの神経が通うということは当然でありまして、神経のないものの作品には神経が現れないのも当然であります。作品に限らず言葉一つにも神経は現れるでしょう、指一本の運動にもその人の神経が現れる筈であります。
昔の占いに墨色判断というのがあります、私は一度見てもらったことがあります。半紙へ墨の一文字を引いて持参に及ぶと、先生はじっと見詰めてその一文字から私の性格や運勢や病気を発見するのであります。それが不思議に当たるのでした。
私は思いました、なるほどわれわれが他人の作品を観賞する時には、その一筆一筆の集まりから成り立った固りから、その人の心や性格や、生活状態までも、ほぼ察することが出来るということは、やはり何といっても恐ろしい墨色判断に似ております。油絵は色の判断、雪舟は破墨の判断、彫刻は腕力の判断でありましょう。