Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こざくらひめものがたり

小桜姫物語

浅野 和三郎

Lesen Sie 小桜姫物語 (こざくらひめものがたり) von 浅野 和三郎 (あさのわさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.097 Zeichen · 267 Bildschirme

Aozora Bunko

』

『果実を採られる気持も同じですか?』

『私達が丹精して作ったものが、少しでも人間のお役に立つと思えば、却ってうれしうございます……。』

『木によっては、根元から伐り倒される場合もありますが、その時あなた方は何うなさる?』

『そりゃよい気持は致しませぬ。しかし伐られるものを、私達の力で何うすることもできませぬ。すぐあきらめて、木が倒れる瞬間にそこを立ちのいて了います……。』

『あなた方の中にも、人間が好きなものと嫌いなもの、又性質のさびしいものと陽気なものと、いろいろ相違があるでしょうね?』

『それは様々でございます。中には随分ひねくれた、気むつかしい性質のものがあり、どうかすると人間を目の仇に致します……。』

何と申しましても、人間と妖精とでは、距離が大分かけ離れていて、談話がしっくりと腑に落ちないところもございますが、それでも、こうしている中に、幾分か先方の心持が呑み込めたように思われてまいりました。それから私はよきほどに梅の精との対話を切り上げ、他の妖精達の査べにかかりましたが、人間から観れば何れも大同小異の妖しい小人というのみで、一々細かいことは判りかねました。