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Japanische Klassiker mit Furigana

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にっき

日記

宮本 百合子

Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.193 Zeichen · 131 Bildschirme

Aozora Bunko

仰向いて見あげて居るうちに、芳崖の悲母観音の画を思い出した。実に忘られない印象を与えた画だ。若しあの画を、一週間に一度ずつ拝されたら、どんなによかろう。心が浄められ、芸術の有難さで鼓舞される。信心深い旧教徒が、聖マリアの偶像を、一週一度拝むことで、生活の力を与えられるように、よい作品は、部門の違いを越えて、我々の心のマナとなる。

四丁目の通り、実に細かな雑多な種類のものを、びっしり眩ゆい飾窓の中に並べた小間物屋の先を、田舎娘のように好奇心に満ち、罪のない心持で眺めて居ると、思いがけず、裏の奥さんに出会った。彼女特有の技巧的な口調で、先日の魚の礼を云われ、思いがけない時と処だったので、妙に顔があつくなるように感じた。彼女も同じ店で買物をして居たと見え、手に小さい水白粉か何かの瓶を持って居る。

先に行ったAに追いつこうとし、屋台店の並んだ歩道を見たら、ちっとも先がよく見えず、彼も何処に居るか、見つからない。ひどく眼が悪くなったと思い、不安な心持に襲われた。

今朝は、珍らしく早く起き、九時にならないうちに机に向った。眼が、いくら力をいれて見ても、眼球が曇ったようでよく視えないのは、なおらない。