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Japanische Klassiker mit Furigana

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いきふどう

橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

これももう、一里か二里くらいの道のりだったでしょう。

そこに佇んで、兄が考えているふうでしたが、と、やがて兄はリュックを降ろして、路傍の石に腰を降ろしました。竹の皮包みを取り出して、どうやら弁当でも使うらしい気配です。私の佇んでいるところから五、六間ばかり畑の奥に石の地蔵尊と四、五本ばかりの木立ちが、取り残されたように繁って、ここにいれば兄の眼につく恐れがありますから、大急ぎで這い上ってそこへ、身体を隠しました。

これで、振り返っても兄には気が付かれず、私の方からは小さく石垣の上に、兄の頭が見えるのです。

が、繁みに身を隠して、吻っとした途端、ギョッとして思わず総身が、鳥毛立ちました。跟けてることを絶対兄には、感づかれてないと思いの外、私が今身を忍ばせた道の下まで戻って来て、

「おい、新次郎! 新次郎!」

と、呼んでいるのです。

「新次郎! そねえなところに隠れとらんで、出て来て飯う食わんけえ?」

枝から覗いて見ると、兄は竹の皮包みを開いたまま、こちらを見上げています。

「…………」

「いつまで妙な真似を、しとるんけえ? 早う出て来え!」

「…………」

「隠れとるつもりかも知れんが、おい! そこから廻しの袖が、見えとるぞう!」