Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
左肩の刀傷
そのうえでもし、まだご疑念がございましたならば、ご主人さまを悪口雑言いたしました罪……里をお手討ちくださいますとも、わたくしに否やはございません」
「よし、それだけの覚悟のうえの話ならばきこう! 要点だけをかいつまんで述べてみよ! そのかわり、もしまちがっておったならば、そちをそのままにはさしおかんぞ! さ、どこが妖怪変化かのべてみよ!」
まちがったが最後、そのままにはさしおかんぞ! とばかりに将監は刀の鯉口切らんばかりに片膝立てて身をのりだしています。そのすさまじい形相のまえに逐一申したてようというのですから、お里もよほどの確信も決心もあってのことだったのでしょうが、
「もうかれこれ半月ばかりもまえからのことだったのでございます」
とお里が話しだしたのはこういうことだったのです。
左肩の刀傷
その半月ぐらいまえから女中のお里の目に、なんだかこのごろのご隠居さまのごようすが変だなと思われたのは、妙に目つきがするどくなって、なにかご隠居さまにじーっとみつめられると、全身ゾーッと冷水でもかけられたような気がすることだったのです。
やがてそのうちに、おや! と気がついたのは、ご隠居さまのお食事がたいそうおすすみになることだったのです。