Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
深夜の足音
その五郎丸に、これだけ爪をたてて殺してしまうあいてといえば、まずシシかトラかヒョウのような猛獣のほかはありません。
しかしそんな兇暴な猛獣が、こんなところにいるわけはないでしょう。すると、いったいこれは、何者の仕業なのでしょうか?
じっと考えこんでいる博士のひとみに、闇のなかにもひときわしるく、わが家の山茶花屋敷とおぼしき家の棟が、ぬっとそばだって、何かあやしきものののろいか怨みでも、そのうえにかけられているような、不吉な感じがしてなりませんでした。
そしてそのとき、博士の困惑をいっそう増させようとしてか、頭上の雑木林の梢がザワザワと風にゆらめいて、てっぺんから、ホウ、ホウ! と陰気なフクロウのなき声がきこえてきました。
深夜の足音
「ふしぎだな! あの猛犬の五郎丸が、どうしてあんな殺されたかたをしたのだろう?」
とその夜博士は、とけない疑問に胸をつかれて、床についてからも、なかなか眠れませんでした。やがて夜も一時、二時ごろ、ようやく一日の疲れがでたのでしょう、トロトロとしましたが、それもつかの間、だれかに烈しくゆすぶられて、博士はパッととびおきました。