Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
消えた提灯
このあいだお稲にばけた曲者が、にくさもにくい石藤左近将監! よくもよくも竜胆寺小金吾さまを、たばかり殺しおったな! と、なのりかけてきたことを思いだしたからなのです。
お、いけん、いけん! もしまた家中の若侍たちのまえであんな大声でなのりかけられたら、小金吾を殺したことを、ひたかくしにしているじぶんの旧悪は、一時にばれてしまうおそれがある。よし、鋤でも鍬でもかまわん! 柄物をもたせて仲八や権六、定吉どもをひっぱっていこう。あるいはあの手ごわい相手にかかって、一人や二人くらいは、やられるかもしれぬ。がしかし、そんなことはかまっておれん! 仲間どもがやられている間に、じぶんが、曲者のスキを見て斬ってかかったらかえってそのほうが良策かもしれぬ!
と、あくまでも召使たちに思いやりのない左近将監は、そう決心をきめたのです。そして刀をとりだして拭いをかけて、用意おこたりなく、あれこれと手くばりをととのえておりました。
消えた提灯
「だんなさま、わかりましてございます。やっぱり、やっぱりおりましてございます」
と、汗をふきながら佐平治が息せききってかえってきたのは、もうかれこれ夕闇のたれこめるころおいでした。