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Japanische Klassiker mit Furigana

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いきふどう

橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

五郎丸の死

が、しかし、いまの世のなかに、いったい人魂などというものがあるでしょうか? 医学者である博士は、そんなことを信じてはいませんでした。

と、その瞬間、こんどは博士のほうが「あッ!」と思わず声をあげるところでした。

なんとその刹那、音もなくくるまの母衣をめくって、ジロリと博士の顔を見あげたものは! やせおとろえたまっさおな額に、たれさがったバサバサの髪! 赤ン坊をおぶったおそろしい目!

昨夜の老婆なのです! が、声をあげるひまもなく、母衣はたちまち何事もなかったようにおろされました。

と、そのとたん、

「あ、いけねえ!」

と、こんどは、ガクンとまえのめりにくるまがとまりました。

「ど、どうしたんだ! 吉蔵!」

「うごかねえだ! 誰かくるまをうしろからおさえていますだ!」

五郎丸の死

なるほど、吉蔵が必死の力をふりしぼっているにもかかわらず、くるまは大地に根がはえたように、ビクともうごきません。とすれば、いまのぞきこんだ老婆がおさえているのでしょうか!

けれどもあのやせ腕に、それだけの力があるとも思えません。

「だれだ! くるまのうしろにいるやつは! バカな真似をすると、しょうちせんぞッ!」