Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
はまた潜りを降してこちらへ戻ってまいりましたが、ふだんはまことに気丈な阿母なのですが、この時の顔といったら何ともいえぬ浮かぬ面持をして、戻ってまいりましても凝乎と火鉢に靠れて考え込んでいるのでございます。
「だれだい? 阿母さん! だれが来たんだい?」
と私は聞きましたが、阿母は急には口もきけずに私の顔を上の空で眺めながら、何かまじまじと考え込んでいるのでございます。
「なんだね、阿母さん、そんな怖い顔をして! だれが来たんだよ」
となんにも知りませんから私はもう一度促しました。
「不思議なことがあるもんだ。今女の人が来たんだよ」
「女の人が来たって? 何も不思議なことはないじゃないか! 何の用で?」
と知りませんから私は阿母の様子を気にも留めてはいませんでした。
「それがお前、お父つぁんが今夜お帰りになるからって今知らせに寄って下さったんだよ」
「え! お父つぁんが?」
と私も頭を擡げました。
「お父つぁんが今夜帰って来るというのかい? だってお父つぁんは大胡の友さんの寄合いに行ったんだろう? 明日でなければ帰れないじゃないか?」
「だから阿母さんが今考えているんだよ。