Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
たしかに手ごたえが……いいえ、手ごたえどころではありません。すでに非常口に半身をのりいれた曲者の肩さきへ、火のようないきおいで棒はうちおろされたのです。が、なんというかたいからだでしょう。うちこんだ棒は、岩にでもブツかったように、ジーンと博士の手のほうがしびれてきました。
しかもおどろいたことには、これほどの一撃をくらいながら、あいてはべつだんうろたえたようすもなく、半身をのりいれたまま、ジロリとこちらをふりむいているのです。
「あ! き、貴様は……」
と、博士がおどろいたのも道理!
なんとそれは、ゆうべのあの老婆ではありませんか! いいえ、ゆうべばかりではなく、さっきは坂の途中でくるまの母衣をまくってのぞきこみ、博士のるすちゅうに家にきて、みんなをふるえあがらせた、あのおそろしい老婆だったのです。
博士はいきどおりが、胸もとまでこみあげてきました。
「なんの恨みがあって、貴様は真夜中まで、人の家へめいわくをかけるのだ! さ、そのわけをいえ!」
あいてが強盗や泥棒でなくて、あのやせおとろえた老婆だとしっては、腹はたっても、いまさら打ちすえる気にもなれません。