Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
と、きがるく博士からうながされましたが、えらいお医者さまの前へでて気おくれしたのか、汗ばかりふいて恐縮しているのです。が、やっと決心したように、
「どうしてもわしどもにゃハァ、合点のいかねえ話だけんど、もしや先生さまごぞんじじゃねえかと思いやんして、それで、おうかげえしたわけでごぜえやすけんど……先生さまは、おとついふたつばかりになる赤ン坊のできものを療治なさったことァあんめえでやしょうかね?……どうも、ふしぎでたまんにえでやんすが……わしは東戸松村の、白上てえところのものでやんす……」
お百姓の話によると、この白上という辺鄙な山奥にすむお百姓夫婦のふたつになる赤ン坊が、五、六日まえから左の股にできものができて、痛むとみえて、昼も夜もヒイヒイないてお乳もろくろくのまず、夫婦で話して、いちどお医者さまへつれていこうと思いながら、なにせ山奥のこととて、一日のばしにしているうちに、いいあんばいにできものが熟んでふききれて、やっと赤ン坊は泣かなくなりました。
ところが、三日ほどまえに夫婦が野良からかえってきてみますと、いつも赤ン坊をいれておくかごの中が、もぬけのからになっていたというのです。