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Japanische Klassiker mit Furigana

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いきふどう

橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

卑怯者の刃

は、なんと水際だっていたことでしょう。

そして、権勢ならびなき城代家老石藤左近将監がかんしゃくをおこして待ちかねきっているときいても、べつだんおどろきあわてたようすもなく、あいかわらずおちつきはらって、ゆうゆうたる足どりで坂道をあがっていくとは、さてもふしぎな少年とお思いになるかもしれませんが、そのわけは、回をあらためて申しあげることにいたしましょう。

卑怯者の刃

おちつきはらっているのも道理! このお小姓は家老石藤左近将監などの支配をうける、この大村藩のさむらいとは、いささかその身分がちがいます。

ここから一里ばかりはなれた上久原というところにあるその邸も、この御家老の山茶花屋敷にくらべては比較にならぬほど手ぜまであり、また召使としても、いまつれている若党のほかには、下男がひとりに女中がひとり……この御家老の豪奢さにくらべては、もののかずでもありません。

しかし、家柄としては、この大村藩中もっとも家格たかく、殿さまさえもいちもくおかれて、なにかの儀式のおりなどには、最高位をしめる、いわば代々この大村藩の客分ともいうべき身分のかただったのです。

系図によれば、むかしはここの殿さま大村出雲守のあるじすじにあたる家柄だったとかで、はやくに父君をうしなわれ、いまでは不幸にして眼病をわずらって両眼をめしいられた母