Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
と玉の頭をなでて泣きながら、人にものいうごとくにいいきかせていましたが、やがてその涙はしだいしだいに、愚痴とかわってきました。
「利巧だ利巧だとおまえは、くる人ごとにほめられていたが、畜生のあさましさ! 主人がこんなに悲しんでいることも、わからないのだろうねえ? おなじ猫でも、年をへて、通力を得た猫は、ずいぶん大恩うけた主人の仇を討ったという話もきいているが、おまえにそんな気持の万分の一でもあれば、どこで小金吾が殺されたか、せめてそれだけでもわたしにしらせてくれそうなものを! 何年飼ってもおまえはバカ猫だから、それだけの恩も感じてくれないのだろうねえ……さ、むこうへいって、もうすこしのあいだ、わたしをひとりにしといておくれ……」
はては玉を邪険におしやって、老母は両手で顔をおおって、床の上に突っぷしてしまいました。
老母のいうことがわかるかのように、玉は面目なげにうなだれておりましたが、またどこへともなくノソリノソリと、足音も立てずに消えていってしまいました。
しかし、それから一時ばかりののち、雨にうたれてぬれそぼれた松の枝から枝へつたわって、身がるにピョコンと、この邸の外へおり立ったものがありました。