Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
もはやいわずとも、事情はハッキリとうなずかれます。
たしかに小金吾は左近将監のために斬りころされて、どこかにうめられてあるにそういありません。それをしらせるために、玉は小金吾の定紋のついたところを食いちぎり、ついでに左近将監のきものの定紋をも、食いさいてきたのでしょう。
「ああ、ありがとうよ。それだけわかれば、もうけっこう。用があれば、またよびますから、さ、もう、さがっていいのですよ、ご苦労でした」
と、いぶかしげに手をついている初野を、つぎの間へさがらせると、
「おお、おまえは……」
老母はわれを忘れて、いきなり玉をかき抱きました。
「なんという利巧な……利巧な……主人思いな……」
と、胸がせまって、あとはことばがでてこないのです。
「よくこれだけの働きをしてくれました。ありがたく……ありがたく……お礼をいいますぞ! いつぞやは腹立ちまぎれに、おまえをののしりつけたのはとんでもない考えちがい! 玉や、許しておくれ、許しておくれ! おまえはなんという忠義な……忠義な猫でしょう! 小金吾が知ったら、どんなにおまえの志をよろこんでくれるかしれません。ああすっかりこれで腑におちました」