Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
門前の仇討ち
しかし、曲者はけだものではありません。始終無言の闇のなかですから、さだかにはわかりませんが、将監の目に映じたすがたは、たしかに黒装束覆面の怪人だったのです。
「このはやわざにはおどろきましたな!」
「なんでしょうな? この傷口は……?」
しかし、どうしてもこのひっかき傷の判定だけは、だれにもつきません。そしてつかぬままにおそらくこれは、大村藩をねらってどこか隣国の藩からでもいりこんだ、忍術使ではなかろうかということになりました。
左近将監はもちろん、竜胆寺家の怪猫玉が、いよいよ老怪猫の本性をあらわして、じぶんをつけねっていようなどとは、夢にもしろうはずもありません。
したがってそのあくる日から、供回りはいっそうに厳重になったのでしょう。ここしばらくはべつだんかわったこともありませんでしたが、やがてそのうち、第二の異変がおこってきたのです。
門前の仇討ち
ある日のこと、そのときはすでに左近将監が例のちかづきがたいほど厳重な供回りのものをしたがえて、山茶花屋敷へもどってきたばかりのときでしたが、若党の佐平治があわただしく将監の居間へかけこんできました。
「だ……だんなさま……た、たいへんでござります」