Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
「それが迷惑だというのでござる。場所をかえられたい。拙者門前が迷惑だというのでござる。そうそうほかの場所へうつられたい」
「それなれば、これほどお願い申しあげましても、ご当家おん主にはお許しくださらぬのでござりますな。女ひとり永年艱難辛苦の末、ようやくにしてたずねあてたる父のかたきにめぐりあい、優曇華の花咲くここちいたしておりまするに、この場において仇討ちならぬとおおせられまするか?」
「さよう、迷惑なこと。おてまえのご苦心などは、拙者知ったことではござらぬ。拙者門前でさえなくば、それでけっこうでござる」
じぶんの門前さえ血でよごさなければ、けっこうという、利己主義一点ばりの話に、女のうつくしい頬にはみるみる血がのぼってきました。懐剣片手にキリキリと歯がみをしています。
「これは血も涙もなきお人……そこなる柳三之介どのに申す。あまりと申せば冷酷無情……いかがでござりましょう。わたくしども両人、勝負を決すべきところなれども、まずこれなる邪魔ものをおたがい心をあわせてかたづけて、それより心しずかに勝負を決しましては、いかがでござりましょうな?」
「ごもっともなるおいいぶん……合点いたしてござる」