Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
もちの左近将監も、思わず背筋から冷水でもブチかけられたように、ブルブルッと身ぶるいせずにはいられませんでした。
しかし、じぶんでは怪猫とひとまずきめてはみましたが、あいてはかりにも親のすがたにばけている以上、念には念をいれなければなりません。
「佐平治はおらぬか? 佐平治は! こりゃ佐平治、佐平治!」
と、手をたたき、大声をだして佐平治をよびたてました。
「だんなさま、およびでございましょうか?」
と、手をついた佐平治に、
「そちはいったい竜胆寺の屋敷へ、いままでになんどばかりいったことがある?」
と問いかけました。
「さようでござりますな。両三度ばかりも、お使いにまいったでござりましょうか?」
「あの屋敷にキツネか猫のたぐいが、それもだいぶ年をへたやつらしいが、いたかどうじゃ?」
「キツネか猫が……」
と、思いがけぬ問いに佐平治はびっくりしました。
「さて……と。てまえはだんなさまのご用でまいりましても、いつもお玄関さきで立ちかえっておりましたから、ついぞあのお屋敷のなかまでは……いっこうにぞんじませんでしたが」
「たわけものめ! 主人の使いでいったら、なぜそれくらいのことに心をとめておかん?」